■トリトンのおはなし
各話ストーリー紹介

(6話〜10話)

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第6話   行け、南の島

ドリテアは自分の住処の「海の墓場」で、ミノータスと共に南太平洋司令官のポリペイモスを待っていた。
ドリテアたちはトリトンがオリハルコンの剣を持っているので気をつけたほうがいいと忠告する。
 トリトンとピピとルカーは、南のイルカ島を目指していた。だがピピはプロテウスやアザラシの友達が死んだのはみんなトリトンの持つオリハルコンのせいだと責めた。トリトンも一度に愛する仲間を失ったピピに何も言いいかえせない。
 トリトンは島にパンの実があるから焼いて食べるのだと火をおこし始めた。長時間単調な作業を続けるトリトンにピピはあきれていた。ピピは北の海に帰るといいはり、休息している小島を離れる。しかしトリトンは実際に戻る事は無理だと達観しており、追いかけてもこない。ピピは、結局戻ってきてしまう。
 そしてようやく火がともり、炎となったとき、ピピは悲鳴をあげてしまう。それはピピにとっては初めてみる火だった。恐怖にかられたピピはその火はオリハルコンの剣と同じで、そのために誰かが死ぬといって騒ぎ立てた。怖がるピピを見て、トリトンはおしげもなくその火をすて、別の他の食べ物を探す。
 ピピはトリトンと自分との姿の違いと考え方の違いに本当に同じトリトン族なのかといぶかるのだった。
 そこへイルとカルとフィンがトリトンたちを迎えにやってきた。だが、ポセイドン族のアンコウもおまけについてきた。どうやらつけられたらしい。トリトンはおとりを使ってアンコウを遠くにおびきだし、その間に隠れて逃げようと作戦を立てた。しかし、剣で戦えば早いのにとピピはけしかける。剣を使いたくないトリトンは沈黙するしかなかった。だが長時間水圧の高い海底に隠れるのに我慢できなくなったピピはとびだしてしまう。たちまちアンコウたちに見つかり、トリトンたちはもっと深い海溝に逃げる。そして狭いところにおびき出したところで一気に急上昇して、アンコウたちを音波で崩れた岩におしつぶしてしまった。
 剣に頼らずに見事に敵をやっつけたトリトンを素直に尊敬できないピピだった。
  一行はイルカ島に向かって南に旅立つ。
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第7話    南十字星のもとに
 

ようやくイルカ島に着いたトリトン達。だがここでも暑さの苦手なピピは自分の眠る氷付けの船がない、と文句をいう。 そんなピピをトリトンは冷ややかに見ていた。
 翌朝、ルカーはトリトンに、ピピを落ち着かせるために小屋をたてて「住まい」を作れと勧める。はじめは渋っていたトリトンだが、それがこのイルカ島に自分も落ち着いて、ポセイドンと戦う力を蓄えるためであると説得され、ようやく重い腰をあげる。だが、オリハルコンで木を倒そうとして、大爆発をおこしてしまい、ピピはそのことでトリトンはみんなを巻き添えにして殺すつもりだと、言いがかりをつける。そして、その光はポリペイモスの知るところとなり、ポリペイモスは手下の大海蛇リューダをし向ける。
 トリトンは剣を使わずにイルカたちと協力して木を切りだし、小屋を作っていった。そこへ手伝いにこないピピをイルとカルがなじり、ケンカになる。トリトンがとめにはいるが、ピピと口論になり、ピピは北の海へ帰るといって、外海へ出ていってしまう。
 度重なるピピのわがままに、怒り心頭に達していたトリトンはピピを放っておく。しかし、ルカーに説得され、たった一人しかいない仲間のピピを連れ戻しに行く。外海では激しい渦が流れ、ピピは流される。
 ようやくピピをつかまえたトリトンだが、そこでもふりきられてしまう。二人の間の海にリューダが渦巻きをおこし、二人は振り回される。トリトンはオリハルコンの剣を投げつけ、リューダーを倒す。行方不明になった剣をピピが探し出し、トリトンに手渡した。
 二人は和解し、ピピはイルカ島にとどまることを約束する。 

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第8話   消えた島の伝説

トリトンは、ピピやイルカたちに自分の二本脚のことをバカにされ、おもしろくない。それに、トリトンは言いようのない不安を感じていた。平和なイルカ島の生活で、自分自身がダメになっていくのではないかと。
 トリトンはイルとカルを誘って外海に出た。そして、誰も乗っていないカヌーを見つけ、近くの海で鮫に襲われている少年プッチャーを助ける。プッチャーは近くの島からおじいさんと真珠貝を捕りにきているという。トリトンはプッチャーの案内で、島に行くことになった。しかし、プッチャーのおじいさんは、トリトンをみるなり、「悪魔の子だ」といって追い返してしまう。せっかく人間の友達ができたと思ったのに、トリトンは大きなショックを受ける。
 実は昔伝説で、トリトンそっくりの姿をした人間を助けたために、鮫に襲われ、そして、津波のために島が沈んでしまったことがあるのだという。そのため、プッチャーにトリトンには関わるなと忠告するのだった。
 その話を立ち聞きしたトリトンはトリトン族に関わりがあるかもしれないと、近くの海を探し回る。だが手がかりはなく、トリトンは直接おじいさんに会って話をきこうとする。その時、ドリテアの起こした津波がプッチャーの島を襲う。トリトンは助けようとするが、島は波にのまれてしまう。
 トリトンは、プッチャーとおじいさんを捜し出そうとするが、見つからない。実はプッチャー達は助かっていたのだが、そのことを知らないトリトンは、自分はプッチャーたちからみれば、「悪魔の子」になってしまうのだろうと、悲しく思うのだった。

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第9話   幽霊船の謎

イルカ島の近くに漂う、霧に包まれた不気味な幽霊船。そこから聞こえてくる歌に惑わされ、船に乗り込もうとするトリトン。イルとカルが必死につれもどし、ようやく意識を取り戻したトリトンは何も覚えていなかった。
 それは恐ろしい吸血鬼のいる船だから近寄ってはならないとルカーが警告する。だが、ルカーの話からポセイドン族の仕業に違いないと感じたトリトンは、イルとカルとともに吸血鬼退治に乗り出す。
 船はある島の近くに止まっていた。トリトンは耳に栓をして、船に乗り込んだ。船室にはいると船長日誌があり、「エルンスト・ガブリエル」の名と、約100年前の日付け、そして不気味な声が聞こえ、花嫁がさらわれたとの記述があった。
 島にトリトンが上陸してみると、何本もの十字架があった。その一つには新しい花がそえられており、墓標には船長の名があった。そして、一人の老婆が墓穴を掘っていた。トリトンが自分はトリトン族だと告げると、老婆は島から連れ出してくれと懇願した。しかし、傍らにはトリトンの名を刻んだ十字架があった。老婆はポリペイモスの命令で、1000本の十字架をたてないとこの島をでられず、死ぬこともできないという。
 トリトンはにわかには信じられなかったが、哀れな老婆に同情し、島から連れ出すことを約束する。しかし、ポリペイモスの手下のアンコウがあらわれる。だが、トリトンはいやがる老婆を連れて強引に船に乗り込んだ。すると、船は独りでに動き出し、不気味にきしんだ。そして老婆の姿はいつの間にか消えていた。
 トリトンがふりかえると美しい女性が舞い降り、歌をうたい、一気にトリトンの耳栓をはずした。女の歌に身動きのとれないトリトン。だが力をふりしぼり、オリハルコンの剣をぬくと美しい女の顔にみるみるしわがより、あの島で見た老婆の姿になっていった。吸血鬼の女は老婆がポセイドンの力によって、変身させられていたのだった。老婆はこの船を燃やしてくれと言う。トリトンは老婆を連れ出そうとするが、老婆は燃える船室の中に入ってしまった。
 燃えさかる船の中で老婆は昔の夫の日記をだきしめ、船とともに海へ消えていった。

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第10話   めざめろ、ピピ!

イルカたちは仲の悪いトリトンとピピを何とか仲良くさせようと歌う島に別々に誘い出す。
 しかし、せっかく好い雰囲気なのに、些細なことから、二人はまたケンカしてしまう。ピピは機嫌をそこね、先に帰ってしまった。そんなピピにトリトンはまっすぐイルカ島に帰るように声をかけるのだった。
 トリトンと気が合わず、泣いているピピを一匹の熱帯魚が慰めてくれた。一緒に遊ぶピピ。しかし、途中でポリペイモスの移動を見て隠れるピピ。熱帯魚が安全なところに案内してくれた。
 一方トリトンたちはイルカ島に帰ってこないピピを必死に探していた。トリトンは責任を感じて重い表情になってしまう。そこに無事に帰っているとのしらせ。トリトンは安堵すると同時にわがままなピピの行動に怒りがこみ上げてくるのだった。
 イルカ島に戻っていたピピは、トリトンの質問にまともに答えない。トリトンはとうとうピピの頬をなぐってしまう。泣き出すピピ。そしてどれだけみんなが心配したか、懇々ととくのだった。そしていつまでも北の海の女王様ではなく、トリトン族の女王様になってほしいと、ピピの自覚をうながすのだった。

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