■トリトンのおはなし
16話〜20話

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第16話   怪人レハールの罠
ドリテアとポリペイモス亡き後、太平洋を任されたのは妖術師レハールだった。レハールは光の幻をあやつり、昔の思い出を見せてトリトンたちを混乱させる。
 はじめに引っかかったのはイルカたちだった。イルカ島の幻影に惑わされ、飛び込んでみると毒の水の出る洞窟に誘い込まれていた。その毒は仲間同士を殺させる恐ろしい猛毒だった。命からがら抜け出したルカーたちだが、もしこんな罠にトリトンたちがかかると大変だとルカーは心配だった。
 一方トリトンたちも近くの海域にきており、トリトンの前にも幻が現れた。それはトリトンにはなつかしい一平じっちゃんの思い出だった。トリトンは涙をこらえ、自分の足を貝殻で傷つけ正気をたもち、ようやく幻を振り切ることができた。しかし、ピピがプロテウスの幻に誘い込まれ、罠にかかってしまう。
 ピピを助けようとトリトンは罠に飛び込む。そこには争ったままの姿で倒れている人間の骸骨があった。そして、レハールの力で操られ、甦り、トリトンに襲いかかる。トリトンが敏捷に身をかわすと骸骨は同士討ちをして、崩れていった。
 トリトンはようやくピピをみつけるが、彼女は毒の水を吸って変になってしまっていた。だがトリトンはそれに気づかず、連れ出そうとする。不意にピピはトリトンに襲いかかる。必死に攻撃をかわし、トリトンはピピに当て身をくらわせ、気絶させる。だが洞窟のあちこちで毒が吹き出す。逃げ場がなくなったとき、トリトンはオリハルコンの剣をぬく。毒の勢いが少しおさまり、トリトンは洞窟の壁に剣を突き立てる。壁に裂け目ができ、その向こうにルカーたちの姿があった。再会を喜ぶトリトンたち。
 しかし、新たな敵の卑怯なやり方に、トリトンたちは怒りを新たにするのだった。

 

第17話   消えたトリトンの遺跡

トリトンたちは太平洋を東へと進んでいた。ポセイドンはトリトンの動きを阻止しようと海底火山を爆発させる。だが手違いで、ある島が隆起する。そして、爆発に巻き込まれた学者らしい老人をトリトンは助ける。だがその島には不思議な壁画があり、それは明らかにトリトン族のことを描いていた。
 トリトンは手分けして秘密をさがしだそうとする。しかしポセイドンは秘密を知られまいと島を沈めるため、新たに地震活動が起こす。やむを得ず、調査は中断する。トリトンは老人を筏にのせて島を脱出させる。海中ではポセイドン族の海獣がせめてきて、闘うトリトンたち。しかし、ポセイドンのアンコウの激しい音波攻撃にトリトンは気が遠くなってしまう。輝きを失うオリハルコンの剣。そしてトリトンが意識を回復するとまた剣も輝きを取り戻すのだった。火山活動がはげしくなり、またちりぢりになるまいと、ピピたちは老人の筏から目を離してしまう。そして戦いがすんで戻ってみると老人の姿は筏の上になかった。
 トリトンは秘密を探し出せなかったこと、人間に犠牲をだしたことを悔やみながら大西洋へと向かう。

第18話    灼熱の巨人タロス

トリトンはとうとうマゼラン海峡にまでやってきた。ここを越えれば大西洋だ。
しかし、せまく、入り組んだ海峡はまるで迷路のようで、進む方向がわかりづらかった。
  トリトンは崖にのぼり、海峡の上から道を見通そうとする。その途中偶然助けたペンギンの子どもを連れていくと、巨人があらわれ、トリトンは大変驚く。しかしそれはペンギンたちの守り神のタロスだという。
 ペンギンが助けてもらったことを報告すると大変友好的な様子で、手の上にのせてくれた。だが、トリトンが名乗るとにわかに表情を変え、ポセイドン様の敵だから殺さねばならないとつぶそうとする。
 実はタロスはポセイドンによって命を授けられており、そのためその敵であるトリトンを倒そうとするのだ。タロスは身体から高熱を発し、周囲の海を煮えたぎらせ、トリトンを殺そうとする。
 ペンギンの子供は守り神のタロスが命の恩人の少年トリトンを殺そうとするのにショックをおぼえる。そしてトリトンに、タロスの弱点のくるぶしの栓を教え、そのため、タロスにつぶされてしまう。 怒りに包まれたトリトンはオリハルコンの剣をタロスのくるぶしに突き立て、タロスはそこから青い血を流してバラバラになり、死んだ。
 しかし、トリトンがタロスと闘っている間にピピとフィンがさらわれてしまう。
 トリトンたちは大西洋を目前にして、太平洋に引き返さなければならなかった。

第19話   甦った白鯨

ピピとフィンがさらわれたため、トリトンは太平洋にひきもどされてしまう。
トリトンはある大きな白い島を見つける。それは島ではなく巨大な白い鯨だった。
トリトンは鯨の尾にはじかれ意識を失い、ある港町に打ち上げられる。
 そこでは英雄ロレンスが白鯨をやっつけたということだったが、トリトンが白鯨に襲われたと話したために町中大騒ぎになってしまう。ロレンスは嘘つきだといわれ、ロレンスの息子のギルティはトリトンをあからさまに非難する。
 ロレンスはトリトンに本当に白鯨に襲われたのかと尋ねる。そこにギルティが勝手に小船を操作して外海へ出てしまう。ロレンスはトリトンの話のために息子に嘘つき呼ばわりされたと怒る。トリトンも嘘をついている訳ではないので心外だった。
 ロレンスはトリトンを船に乗せ、白鯨を再びしとめるため海へと乗り出すのだった。トリトンは背後にポセイドンの気配を感じていた。白鯨はレハールの力によって甦せられていたのだった。
 そして白鯨はギルティの乗った小舟を襲う。トリトンは海にとびこみ、白鯨と対決する。
白鯨は目から妖しい光を発し、トリトンを動けなくする。そのときロレンスが白鯨に銛を打ち込み、トリトンをとらえていた不思議な力は途絶える。
 ロレンスはギルティと協力して次々と銛を打ち込む。
そして白鯨はトリトンのオリハルコンの剣と銛の両方の攻撃で空中に消えていった。
 トリトンはロレンスの勇気と男らしさに父親の姿を重ねるのだった。

第20話    海グモの牢獄

トリトンはピピがされわれた海グモの巣にやってくる。
そこにはポセイドン族の美女、ヘプタポーダがいた。彼女はポセイドン族でありながら、青い海と太陽を望んだ為にこの牢獄にとらわれていたのだった。彼女はトリトンを殺せば、牢獄から出してやるという条件を元にトリトンに戦いをいどむ。
  彼女の繰り出す、生きた剣の攻撃はトリトンをおいつめ、あわやとどめを刺されそうになる。しかしオリハルコンの強い輝きでヘプタポーダは逃げ出す。しかし、トリトンの方も体力を消耗し、再び危険な状態に。
  それを脱するため、トリトンはヘプタポーダに「この剣の光に驚いているようでは、太陽の下では住めない」と心理的に追いつめる作戦をとり、時間稼ぎをする。以外とヘプタポーダは本物の太陽を知らないようすで、トリトンの言葉に動揺してしまうのだった。
  そこへ大きな海グモのスパイダーが姿を現し、トリトンがクモと戦っている間にヘプタポーダは牢獄を抜け出す。ヘプタポーダは海上に出てあこがれの太陽と青い海をみるが、それはあまりにまぶしく、彼女には住めない世界だった。そのことを知ったヘプタポーダは牢獄に戻り、スパイダーと苦戦しているトリトンを助ける。驚くトリトン。だがスパイダーはヘプタポーダの攻撃に怒り、彼女を牢獄の壁にたたきつける。あわや彼女を飲み込もうとしたその時、トリトンがオリハルコンの剣をスパイダーの頭に突き立てる。倒れるスパイダー。崩れ落ちる牢獄をトリトンたちは必死に逃げ出す。ピピも無事にぬけだす。だが、ヘプタポーダはみつからなかった。
 トリトンは心残りな様子だったが、再びピピたちと共に大西洋に向かって旅立つ。


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