◆第3話 「輝くオリハルコン」の感想◆
この話はトリトンにとって初めてのポセイドン族、ドリテアとの対決です。
オリハルコンの剣をとっさに抜いてムチを溶かしてしまうシーンはめっちゃかっこよいです。
このシーンの止め絵の色使いが斬新でした。
それにトリトン自身が剣の扱いになれていなくてその威力に驚くところがまたすごい。
そして、剣に力があると知ったとたん、強気になる単純なトリトンがまたかわいい(^^);;
ちょっと前後しますが、筏をを作ってるときに「こども、こどもってもう子どもじゃない!
じっちゃんとも別れてこうやってたった一人で海に戻ってきたじゃないか!」のセリフが好きです。
トリトンの性格がよくわかるし、否応なく海に出てきたんだ、という怒りがとても感じられます。メドンを失ったことは私にとってもショックでした。
メドンが今回で死んだのは、「トリトンで知るギリシア神話」でかいたように、「伝令役」としてのメドンを強調するためだったのかな、とか思っています。トリトンはたった一人で、孤独に広い海に放り出されたのです。そのせつなさ、心細さが感情移入しやすくしているのかな、と思いました。
なぜなら、原作でのメドン(ガノモス)の活躍を知ってたので、こんなに早くメドンが死んじゃって
いったいどうやってトリトンは戦うんだろうと、本気で悩みました。
私にとって、TVアニメは原作とは大筋で違わないものだったのです。
当時の頭ではオリハルコンの剣がそんなに重要なものだとは感じなかったのです。
武器の一つ、ぐらいの認識しかありませんでした。ラストのトリトンが村に戻るシーンはとても切なかった。
子供達と一緒にいる一平爺さんを泣きながら陰で見守るトリトンがかわいそうで、かわいそうで
仕方なかった。小学生の当時、何故トリトンが一平爺さんに「オレ、帰ってきたよ!」と声をかけられないのかわからなかったです。
どうしていかないんだ!じっちゃんは目の前だよ!!と声をかけたかったぐらいです。
でも何度か再放送を見て、彼は自分がもう村の人間ではないことを自覚したからだと気がつきました。
彼はもう「トリトン族」として生きていくしか自分の道はないのだと悟ったのです。そして、やっと、トリトンの後のセリフ、「もう俺は村にも戻れない、トリトンにもなれないんだ」という意味がわかったのです。
しかし私の頭の中ではじっちゃんに抱きついて甘えるトリトンの図が浮かんできて仕方ありませんでした。
でもたとえ、会ったとしても、じっちゃんはトリトンを突き放すでしょう。
「もうお前の家はここじゃない」って。
もし、子供達に囲まれた一平じっちゃんの前にトリトンが飛び出したら・・・?
「そんな子は知らない」と無視してとおりすぎるでしょうか・・・?
そんなドラマ展開もあってもいいんじゃないかなって。
でも結局TV放映された演出の方が、よりトリトンの切なさを強調し,
一平爺さんの役割の終わりを明確に表現しているように感じました。
それにしてもじっちゃんの人格の影響ってすごい・・・。
トリトンの影に「じっちゃん」あり、ですよね。