◆22話の感想◆
今回はものすごく不気味だった印象があります。 |
|
急に鳴り響く鐘の音。ギクッ。しかもでかい。 もう、トリトンと一緒にドキドキハラハラ。 このシーンはBGMが一切ない。効果音のみ。巧い演出です。 そして、儀式を行う奇妙な老婆。祭壇から落とされる人。断末魔の叫び声。 ここまで、見る者を引きつけておいて、視聴者の疑問をトリトンが代弁します。 「一体この人たちは何だ?オレを生け贄にだって?」 不安な不協和音の音楽がはしり、いっそう不安になります。 ローアングルの映像も不安をかき立てます。この回は全編に「不安」がみちあふれていました。 しかし、いきなりみんなのところにのりこんで、「オレがトリトンだ!」と名乗り出るのは、勇敢と言うより無謀に近い。それともよっぽどの「自信」があったのだろうか?絶対この人達を説得してみせるっていう・・・。 |
|
おばあさんをみて、何故かオトヨさんを思い出してしまった。
村の少年パティと話していて、おかしいと気づくトリトン。 |
|
それ以前にチョーおかしいじゃんか!気付けよお! でもトリトンが同年代の少年に親近感を抱くのを利用してパティを「刺客」に 仕立てたポセイドンが狡猾だ、 とここでは正統派の解釈をしておこう。 パティがオリハルコンを奪ってかまえるのにちょっとワクワクしてしてしまった。さあ、どうやってトリトンをいじめるのかなって・・(あうあう・・・) とっくみあいになる二人がすごい。 トリトンがオリハルコンで刺されそうになるのがすごい。 ちゃんとかわすトリトンもすごい。もし刺されたらどうなるんだろ。 やっぱりトリトン死ぬのかな。いや、トリトンだけは絶対死なないっ、 剣がよけてくれるっ、とかいらないことを考えていました。 一番ハラハラしたところです。いつ奪い返すんだろと思ってた。 |
|
それにパティの持った剣が輝かないのを見て、トリトンは 「持った者の魂の力で輝くんだ」といったけど、私はトリトン(オレ)じゃないから輝かない、と言う風に何でいわないのかなーと思ってた。 結局同じことなんだろうけど、もう少し、「トリトン様限定仕様」のイメージを 打ち出してほしかったです。 カルがジャンプして奪いかえしたのはまあ常識的な描き方だと思った。 パティの声は清水マリさん、つまり鉄腕アトムなのです! 当時はうっかり気づかなかったけど、どっかで聞いた声だなあ、と思ってました。 うう、アトムが「トリトン、死ねえ」だなんて!!!やだよー。 それにしても、「海のトリトン」って豪華なアニメだなあ。ゲストにアトムやオバQなんだもん。(笑) (8話のプッチャーの声は、堀旬子さんで確かQちゃんの声をなさったはず) |
|
海中でのイソギンチャクとの戦いは安心してみれた。 なぜなら、絶対勝つ、という確信が何故かあったから。 「オーリーハールーコーン!」と」叫ぶのはちょっとイヤだった。 でもその後の言うことをきかない村人がもっと、もっと、コワかった。 なんで?トリトンは怪物をやっつけたんでしょ?? うわーと輪を狭めてとりかこみ、オリハルコンを奪うショットにショック。恐怖の絶頂。 それにコワイモノ見たさの好奇心もピーク。 「トリトンはもうだめだあ!」誰よっ、そんなこと言ったのは!簡単にきめないでよっ。 でも剣を使ったあとでトリトンお疲れだったのかしら。 この後の村人に襲われて生け贄の祭壇に縛られちゃう、というのが予想外の展開だったので、ビックリしたのです。 もう少し物語の前半でそういうシーンがあって、さっさと突破するのだと思っていました。 |
|
でも縛られちゃったトリトンにドキドキ。一体誰がトリトンを縛ったんだ??あの老婆か?? トリトンは一応抵抗したのか?うーん、そのシーンも見てみたいっ(ああっ、ビョーキ!) でもトリトンの顔が反抗的なのがいいな。ぞくぞくしちゃうぞ(コラコラコラ・・・) この時祭壇のポセイドン像のミニチュアをみて「気味の悪い像だな」と言ってます。 余裕だなあ、縛られてるのに。何もしらないトリトンはこれがポセイドンだとは気づかない。 視聴者にはそれがわかってる。だから二重にコワイ。(あの顔は誰でもコワイよ。) |
|
それに後で気づいたのですが、これは最終回で言ってた「ポセイドン像の生け贄になった」という状況の再現ではないかしら、と。 こんな風にポセイドン像の生け贄になって、ポセイドン像のオリハルコンのエネルギーで生き残った人があの地下都市にいたのだなあ、と気づいたのはホントにずっとあと。 トリトンは昔のポセイドン族の体験をしちゃったワケです。 それと、綱を切られて「ありがとう、おばあさん」なんて期待するトリトンがなんとも間抜け。 トリトンってほんっとに性格いいね。こんな状況でも礼を言うのを忘れない。 それに自分を助けてくれるという期待を抱くところが甘いっ。いくら子どもの私でも「んなワケねえだろっ」と思ったら予想通り、ガタン、パカッ、「うわーーーーーっっっっっっ!!!!」。絶叫っ。 ここのシーンコワイ〜〜。果てしなく落ちていく感じ。トリトンの顔も影が多い描き方でこわい〜〜っ。 やっとつかまるところがあって、ホッ。でもオリハルコンがゆらゆら落ちてくる。これにたいした疑問も抱かず腰に納めちゃうトリトンもコワイ。なにか疑問に思わないのか???それともセリフを入れる時間がなかったのか?? 安心したトタン、ぎゅーっとひだがおしよせてきて、トリトンを包み込んでしまう。また恐怖。 今度はトリトンの姿は画面から消え、島や逃げまどう村人の様子が止め絵で流される。 手法としては手抜きなんだけど、怖さは抜群。トリトンはいったいどうなったんだろ?という疑問が残る。 そして、島全体が多分オリハルコンの光によって、消滅。あとで力つきて水中に浮いているトリトンの姿・・・。 ラストに村人を救えなかったとしょげかえるトリトン・・・。 あんな目にあったのに、村人を助けようだなんて、ホントにお人好しトリトン。 まるで実況中継のようになってしまいました(^^);;;; 堅い話をいえば、心理学で言うところの英雄の死と再生のイメージみたい。(ユングだっけ) 島の中に飲み込まれるのは子宮にかえるということ。 突き破って出てくるのはもう一度生まれ変わると言うこと。 「母胎」のイメージを突き破ってでてくるというパターンが『海のトリトン』の中にしばしば見られる。 16話の洞窟。20話の海グモの牢獄。そして今回のアーモンの島。外にいた化け物をやっつけただけでは物語が終わらなかったのは、トリトンが「母胎」に飲み込まれていなかったからか。 単に話をおもしろくするだけではなく、こういう状況を描かなければ終わらないところに「神話的構造」が見えるような気がする。(スタッフは気づいていたのか?それとも偶然か?) そして、「再生」するたびに強大な力をつけてくるのです。 このあと、24話のゴンドワナののども産道のイメージ。長く苦しい産まれる苦しみ。 そして25話の砂の大洞窟も子宮のイメージ。ここを突破して彼は大西洋にでる。
あっ、この話、ピピがぜんぜん出てこない・・・。(最初だけ。つまり導入のみ) うう、この回を見ての一番の感想・・・。 ★このページのイラストは、ずいぶん前に「海のトリトン後援会」用にペンとスミで描いたものの余りに、 |