◆第17話の感想◆

今回のタイトルはその名もズバリ、「消えたトリトンの遺跡」。
ここの「トリトン」はトリトン族の意味で使っております。

初っぱなが火山の爆発で、またイルカ島のような感じなのかと思ったら、島が隆起してきた!
それに行く手を阻まれる、というトリトン達の話です。
トリトンたちはマゼラン海峡のすぐ近くに来ていたみたいですね。

で、この爆発による隆起が「計算ちがい」でジツは見て欲しくないモノをトリトン達に見られてしまうと、
ポセイドン達が慌てるのですよね。
イルカ島には正確に破壊光線を届けたのに、こーゆートコロはアバウトなんだよな。

で、この話の注目は一人の学者のおじいさん。
かわいそうに名前がわかりませんが、(つけてもらえなかった?)このおじいさんにトリトンはベッタベタ!
この陸の人との関わりがさりげなく描かれているのが大好きだったりします。

島に人間がいるらしいとわかったとたん、トリトンが上陸しようとする。
それをルカーが阻む。
「人間のことはほっときなさい。貴方は大西洋に行かなければならないんですよ」
「でも・・・」
ためらうトリトン・・・むっちゃかわゆい!!
「貴方は『海のトリトン』です!陸の人間ではないんです!」

おお、番組タイトルが登場!とてもイミシンだよね。この言葉は。

「行かせてくれ!ルカー!」
トリトンは強引に学者さんところに行ってしまう。ルカーはそれを見てつぶやく。
「人間であることを忘れさせるために今まで大変な苦労をしてきたというのに」

そう、この物語は一人の陸で育った少年が海の人間と自覚してその平和を守るために戦う物語なんだよね。
でもさ、トリトンはまだ13歳の少年。育った陸が恋しいのは仕方ないよな。
トリトン族は陸の人間とはちがう、といっても陸で育ったトリトンにはその自覚はとてもむずかしい。
ルカーさんもとっても非情だよ。トリトンを陸に13年もあずけといてソリはないだろうよ。
トリトンだって「息抜き」がほしいよな。
わがままな人魚の相手ばっかじゃ疲れるよねえ。

で、怪我をした老学者さんをかいがいしく介抱するトリトン。
ここのセリフがとっても丁寧でトリトンは「ぶりっこ」してるな、と思ったりする。
ていねい言葉のトリトンに妙に「かわいらしさ」を感じます。

突然現れた奇妙な少年(たぶん陸人から見るとそうでしょう)を不審に思う学者さん。
「どこから来たんだね、君は?」
「どこからってちょうどそこをとおりかかったんですよ」
「じゃあ、君の船は無事だったのかい」
「いいえ、泳いできたものだから」
「はあ?どこから?」
「どこからって、その、乗っていた船が火山の噴火で・・それでその・・・」

・・・ トリトン!全然言い訳になってないよッ!
ウソはもっと上手につきなさいよね!!
でも確かに「イルカに乗って来た」とは言えないよなあ(爆)
学者さんもそれ以上トリトンの素性を気にしなかったのでよかったです。(大いに不審だと思うが)

それで気になってやってきたイルとカルと影でこそこそ話をしていると(こういうの、おもしれえ〜)
「他にも誰かいるのかね?」と学者さんの声。それに、トリトンはすまして、
「いや・・誰もいませんよ」
オイオイ、バックレるなよなあ。
イルとカルが「俺達のこと紹介してくれてもいいのに」とすねるのがおもしろかったです。

トリトンは年配のおじいさんに弱いようです。
たぶん一平じっちゃんを重ねてしまうのでしょうね。そーゆーかわいいところが好きです。

で、この島が「アトラスの城」という遺跡で、トリトン族の秘密が記録されているという。
そこでポセイドンが大あわてでここでトリトンをやっつけてしまおうと、たくさんのアンコウやエイを差し向ける。

一方学者さんはアレコレを島をさぐり、壁画を発見する。
それは火山の爆発や船で乗り出す人々が描かれている。
トリトンも関心をよせ、もしかしてトリトン族のことではないかと思い、色々探し始める。

ここでトリトンのセリフに注目。
「そういえば学校で習ったことがあるなあ」

あー、ヤッパトリトンはフツーの学校に行ってフツーにくらしていたのだ、と思わせるセリフです。
なんだかとっても自然な感じでお気に入りでした。
で、メドンのこと口走ると「先生のあだ名かね」(爆)
この学者さんのズレ加減が好きだったりします。学者ってそういうもんかもね。

「壁画」と言う言葉に当時話題になっていた、奈良県の高松塚古墳の発掘を思い出します。
今よく知られているキトラ古墳の近くで、極彩色の中国調の衣装をつけた人々の絵が出てきて、
切手にまでなりました。
世紀の大発見とかで、ものすごく話題になったので、このことも「トリトン」のお話に取り入れられる
きっかけになったのかもしれません。

で、色々探してるウチにホラ貝を掲げた男性の絵をみつける。
どう見たってコレはトリトン族のコトだ。文字も解読できたらいいのにねえ。
またトリトンは人魚を抱いた足のある女性の壁画を見つける。

またしてもここで、「秘密」はピピのような女性のトリトン族の足のコトに終始する。
ホントはもっと秘密を描きたかったのだろうけど、時間切れとか。
それともそんなに詳しく設定してなかったとか(ありえそう)

秘密がわかるどころがますます謎が増えちゃったような気がする。
大体こんなことをわざわざ記録しておいとくと言うこと自体が「異常」ですよね。
何かせっぱ詰まった深い事情がこの遺跡に隠れているのではないでしょうか。
ネレウスのセリフによるとこの遺跡は「200年ほど前に沈めた」とあるから、その時点までトリトン族が
いたのかもしれませんね。もしかしたらひっそりとトリトン族だけの「楽園」だったのかも。
ずっと先祖からの言い伝えを守ってきて伝えて、それでもって記録に残していたのかも。
もしかしたら、オリハルコンの謎とか使い方とか何かの警告とかあったかもね。
そういうのが見たかったのに、アンコウやエイどもがやってきて、トリトン達もそうだけど、視聴者も
話半分でがっかりしたものです。

老学者を筏にのせて避難させる。で、その筏を引くスピードが速い!
「オレは泳ぎが得意なんだ♪」自慢そうに言うトリトンがまたかわゆい。
でもその影にはイル達が必死に押していた・・・・。(爆)
あ、サスガにピピは引っ込んでいたよね。やっぱりピピが出てくると学者さんのショックが大きいと
思ったためなのか、また時間的なことか。

筏はピピ達にまかせておいて、トリトンはアンコウたちと戦う。
けっこう壮絶な戦いで、トリトンは音波の総攻撃で気が遠くなってしまう。
オリハルコンの剣が白くなるのが不気味。
余談だけど苦しむトリトンの声がリアルで色っぽかったぞ(オイ)
トリトンの体力の限界が、オリハルコンのパワーの限界だということが視覚的にもよくわかるシーンだった。
具体的にバッチリ出てきたのはこの話が初めてだったような気がします。

なんとか攻撃をやりすごしたところに火山の再爆発。
このときピピ達が筏から目を離してしまう。再びイルカ島の時のようにちりぢりにならないために
トリトン達と合流しようとしたため、戦いの後筏を覗くと老学者の姿がなかった・・・。
「またポセイドンの為に犠牲者が!」とトリトンが言っていたけど、コレはもう仕方のないことなのかもしれません。
でもそうならなぜ学者さんの遺体がないの?とツッコミを入れてる自分でした。
自分はこの学者さんがどっかで助かっているのではないかと想像していました。

このラストに使われていたピアノの曲が素敵で、悲惨なシーンなのにあまりそう感じないのは音楽のせいなのかも。

 

この「遺跡」ですが、基本設定にあった、「トリトンランド」の変化したものではないかと思います。
トリトン達は話の途中で第2のイルカ島みたいなものを作るとあります。
それが色々あって、「遺跡」になり、結局海に沈んでしまって、謎ときはすべて大西洋に行くまでおあずけ、
という形になっています。
「遺跡」というのはものを生み出し、育てていくパワーに欠けるそうです。
この話の中でトリトンは成人していません。
それがこの「遺跡」と関係のあるような気がしてならないのです。

 

↓オマケ

色々言い訳するトリトン♪かわゆいぞ♪

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