◆第16話の感想◆

「怪人レハールの罠」。


ああ、とうとういやーな奴、レハールの登場です。
デザインがちょっちアクがツヨイ。
羽根さんの話では、海の生き物ばかりではつまらないので、マンドリルを出した、ということですが、個人的にはあまり好きでないです。
どうせなら、もっとかっこよいハンサムな魔王の方がトリトンをいじめた時、絵になる・・・(ナニを想像しとんじゃ!)
とにかく性格の悪さナンバーワンがこのレハールでしょう。

それに眠っていたレハールをわざわざ起用したあたりに、ポセイドン側のせっぱつまった状況がうかがえます。
こんないかがわしい、魔術師なんか使わないといけないなんて、ポセイドンもよっぽど「人材不足」なんでしょう(^^)
なぜ、レハールが「眠らされた」(「眠った」?)のか、その辺の状況に想像を働かせてしまいます。

最初にルカーたちが罠にはまり、洞窟に誘い込まれます。
恐ろしい光景。仲間同士、争いをしたと見られる骨のあつまり。
ピラニアのように狂った様に魚を食い尽くす小さな魚。
たぶんいつもはおとなしい魚が凶暴になり、次々と洞窟にやってきたものたちを襲うのでしょう。

魚たちを見てルカーが「まるで気ちがいみたいだわ」とつぶやき、そして魚たちに食われて海底に落ちる骨を見て
「まるで屠殺場(とさつば)だわ」と言います。
この2カ所がDVDではカットされています。
凄惨な光景をこのように表現したのでしょうが、色々あって「差別用語」になっています。
現在では「屠畜場」というのが普通だそうです。

やっとのことでルカーたちは罠を逃れ、外に出る。
「ああ〜〜〜」というルカーの声もけっこう色っぽいんですけど(^^);;
きっとルカーさんももてたことでしょう(ナニを書いておるのじゃ!)

さてルカーの心配する図。
魚に食われるトリトンとピピの図。
トリトンとピピが白黒なのに魚が黄色くてちょっと不気味だった。
でも苦しむトリトンの絵にぞくぞくしたりして・・・(^^);;;オイオイオイ・・・

これを見た当時の友人が「この時ほんとに襲われているのかと思った」といってたので、けっこうインパクトが
あったのだと思います。

さて罠はトリトンの前にも現れます。
光を見つめているトリトンの顔、「キレイ」なんだな。
この顔が一番好きです。(作品中に何回か使っていると思います)

トリトンに見えるじっちゃんの幻。でっかい!
飛び込んで行こうとする、水晶玉に映るトリトンの絵。
このときのトリトンはひどく幼く見えた。
でも思いとどまり、、惑わされないようにトゲのある貝殻を踏みつけ、正気をたもとうとするトリトン。
流れる血が痛々しい。トリトンの目に涙。
それは痛みからか、それとも一平じっちゃんにもう会いたくてもあえないつらさからか。

もう「海」の人間トリトンには、陸にもどって生活することは許されない。
そんな非情さも感じたシーンでした。

貝殻を蹴って罠を振り切るトリトン。
トリトンの精神の強さ、意志を感じました。
それに こんな子供だましの罠にはまるもんかい!じっちゃんは陸の人間だい!
でもここで疑問。なんでレハールはじっちゃんの顔を知ってるの?
(きくだけヤボだろうか)恐るべし、ポセイドンの情報網!ネットワークで調べたりして;;(パロディになるよ;;)

ピピが幻に惑わされる。
でもトリトンには見えない、プロテウスたちの姿。これがコワイ。
トリトンは罠だと見抜き、ピピを止めるが、制止を振り切って飛び込んでいくピピ。
でもプロテウスたちはみつからず、ピピは洞窟の中で毒にやられてしまう・・・・。
ピピも可愛そうね。「昔」を求めちゃいけないのよ。

ピピを追ってわざと洞窟に飛び込んでいくトリトン。
やっぱりヒーローはこうでなくっちゃ!
渦にまかれ、骸骨の中につっこむトリトン。これって気持ち悪い!!自分の身体の下に骨だらけなんて!!
いくら戦い慣れして強いトリトンでもぞっとしたでしょうね。
カチャカチャ、って効果音がぞわぞわっとくる。
途中、落っこちた首を拾うユーモラスなカットもあったりして、スタッフが楽しんでいるのがよくわかる。
トリトンに背後から襲いかかる骸骨の戦士!

トリトンの顔がひきつっている!「うええっ、なんだこれっ!」といいたそうな表情。
必至に攻撃をかわす。とにかく相手は骨。けっ飛ばしてもまた組みあがって襲いかかる。(よく蹴れるなあ;;)
気持ち悪いですねえ!!
ああ、トリトン蹴られちゃった!これガイコツのくせに!トリトンをいじめんじゃない!
もう一体が来る!ああどうしよう!でもトリトンは上方に逃れる。
骸骨同士がナイフをお互いの頭骨に突き立てあう。もう不気味不気味!!(泣きそうでしたよ、ウチの子は!)
崩れていく骸骨。ここのBGM(声??)こわ〜〜いいいい・・・!
オオオオ〜と断末魔の叫びで、恨みがこもっていてうなされそう。

しかしこの骸骨さんたち、陸の人間なのに、なぜ水中で戦った後があるのか??

もしかして、ポセイドン族に改造される途中でその出来損ないとか!???
色々想像してしまうワタシでした。

それと骸骨戦士と戦うシチュエイションはハリー・ハウゼンの映画「シンドバッド七度目の航海」からの引用ですね。
(あれ?「虎の目大冒険」か?ビデオが見つからず、確認できません)
特撮映画からの引用が「海のトリトン」に目立ちます。

さてトリトンはピピを探す。ようやくピピを見つけるが、ピピはすでに毒を吸って変になっている。
気づかずに手をひいて連れて行くトリトン。振り返ると襲いかかってくるピピ。あわてるトリトン。
「よせ!」聞くはずがないピピ。

ピピに当て身をくらわせ、気絶させるトリトン。
すごいや。いつの間にこんなこと覚えたの??ピピがちょっとかわいそう。
でもトリトンに抱えられてちょっとうらやましい。(何をいってるか!!アンタどっちなんだよ!)

でもピピって無力な感じがする。このまま最終回まで、人質になったり、トリトンが困るきっかけになったり、
ロクな活躍がない。
わずかに24話で機転をきかせ、トリトンを救ったぐらいか。
後は「邪魔」なだけ。思えばかわいそうなピピの立場です;;;

周囲から毒の水が噴き出し、トリトンも吸い込みそうになる。逃げ場がない洞窟で途方に暮れるトリトン。
「こうなったらもうやぶれかぶれだ!」
オリハルコンを掲げ光らせるトリトン。(やけくそがけっこう強かったりして)
なぜか毒の水の勢いが弱まる。
そして剣の力で割れる洞窟の岩。

その先にルカーたち。やっとトリトンたちとルカーたちの再会です。
「オリハルコンの剣が岩を割ったとき、オレも力がぬけちゃって・・・」
これって剣を使うとトリトンが疲労する、と言うパターンの始まりですね。
とうとうトリトンはオリハルコンに操られるようになっていきます。
単なる剣の使い手でなく、剣によってふりまわされるようになっていく。
トリトンとオリハルコンの剣の関係が密接になっていく。
トリトンの力が剣の力を引き出す。
この物語はトリトンの話、というより、オリハルコンの剣という不思議なものに引きずられて運命を狂わせられていく、
少年とその犠牲になったポセイドン族、という構図に見えてくる。

でも当のトリトンは何も知らない。
ただ、目の前に現れたレハールという狡猾な敵に怒りをぶつけているだけ。

でも視聴者にもトリトンにも本当のポセイドンの姿なんて見えてこない。
トリトンとともにポセイドンの卑劣さに怒るだけ。
そして、大西洋に進む彼らを強く応援していくようになります。

そしてレハールは魔術師。
魔術師に対抗するにはやはり「魔術」。
それはオリハルコンを自在に操り、最大限に力を引き出す、ということ。
それは神剣と使い手のような、日本古来のシャーマニズムを思い起こします。
そうか、 トリトンはシャーマンだったのか〜〜〜;;;

オマケ↓

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